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2006年07月13日

桃花台新交通・山万 ニュータウン時代の軽便鉄道

きっかけは

今年9月に桃花台新交通「ピーチライナー」が廃止になるというのは、以前に触れた通りであるが、このピーチライナーのような形態の新交通は全国唯一ではない。
否、ピーチライナーは、恐らく、千葉県佐倉市の山万ユーカリが丘線を手本に計画されたのではないのかとさえ思える。

共通点1:高速度鉄道路線駅とニュータウン地域の連絡を意図して計画された

山万の開発したニュータウン「ユーカリが丘」と付近を走る京成電鉄との連絡は当初、京成臼井(現・うすい)駅或いは志津駅との間で連絡バスを設定する予定であったが、近辺の道路事情が思わしくないことなどから、臼井〜志津間に新駅(ユーカリが丘)を設置し、そこから新交通路線を敷設して、ニュータウンと高速度鉄道路線(京成線)とを連絡することが決定した。
これが、ユーカリが丘線誕生の経緯である。
これは嘗ての軽便鉄道の建設意図とよく似ており、軽便鉄道も蒸気機関車の煙害を避けるために町外れに設置された駅と町の中心部を結ぶことが目的であった。
一方の、ピーチライナーであるが、こちらは当初、名鉄小牧駅とJR中央線高蔵寺駅を桃花台ニュータウン経由で連絡し、名鉄・JRの双方へ桃花台ニュータウンからの連絡輸送を意図したものである。
ただ、実際に開通したのは、名鉄小牧駅〜桃花台東間だけとなり、JR高蔵寺駅との連絡はバスのみとなった。
要は、ユーカリが丘線もピーチライナーもニュータウンと鉄道駅との連絡のために建設されたものである。

共通点2:中央案内方式

所謂、新交通システムというと、ゆりかもめ金沢シーサイドラインなど、側方案内方式が主流である。
しかし、ユーカリが丘線のVONA(Vehicle Of New Age、通称こあら1〜3号)やピーチライナーは、跨座式モノレールや札幌市営地下鉄のような中央案内方式となっている。
それ故、車両の台車やレールの作りが非常に似通っている。
もしかすると、台車構造は同一なのかも知れない。
因みに、ユーカリが丘線もピーチライナーも日本車輌が製造していた。

共通点3:ループ運転

ユーカリが丘線の場合、厳密には環状運転ではないが、都営大江戸線のような半環状運転となっている。
但し、大江戸線とは異なり、ユーカリが丘を出発した電車は公園駅に入って、反時計回りに回って公園駅に戻り、ユーカリが丘に戻るため、1往復(?)の度に電車の向きが変わってしまう。
一方の、ピーチライナーは、小牧と桃花台東に設置された折り返し用のループ線を経由して向きを変え、常に同じ車両が先頭に出るようになっている。
丁度、山手線(名古屋だから名城線か)を平たく潰したような路線形状である。

似ていないところも少なくない

以上のように、ユーカリが丘線とピーチライナーには共通点が多いのだが、共通していないところも少なくない。
特に、ユーカリが丘線とピーチライナーの命運を分けたのは、付近のバス路線にある。
ユーカリが丘線の場合、元々、バスでの連絡の予定だったのを取りやめて新交通路線を敷設したという経緯があるように、井野地区の一部を除き、バス路線がない。
また、勝田台駅に向かう井野地区のバス路線も、ユーカリが丘線と競合にならないように停留所の位置がユーカリが丘線の駅に重ならないようにしている。
つまり、ユーカリが丘線は事実上競合路線がない状態にある。
一方の、ピーチライナーであるが、沿線各駅にはバス停が必ず存在し、バスとの競合が激しい。
特に、名古屋市の中心部に出る場合、どうしてもバス路線の方に軍配が上がる。
今でこそ、名鉄小牧線は地下鉄上飯田線に乗り入れ、名城線の平安通駅と連絡しているが、ピーチライナー開業当初の名鉄小牧線は、名古屋市中心部との連絡が悪く(名鉄小牧線の名古屋側ターミナルの上飯田と名城線の平安通駅との間がバスまたは徒歩連絡だった)、また、名鉄小牧線はマイナーなローカル線だったため、列車本数が少ないということから、ニュータウン利用者がどんどんバス路線を利用するようになったのである(これが廃止のきっかけ)。
また、路線の運営主体も異なり、ユーカリが丘線はユーカリが丘のニュータウン開発を行った山万株式会社が運営しているのに対し、ピーチライナーの運営主体である、桃花台新交通株式会社は、愛知県と小牧市、名古屋鉄道、東海銀行(現・三菱東京UFJ銀行)、中部電力の出資した第3セクター企業である。

次回は

先週土曜日に行った、山万ユーカリが丘線を紹介する予定である。
posted by tomocky@岡山急行電鉄 at 00:24| Comment(1) | TrackBack(0) | 鉄道一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。以前、桃花台線の事でコメント&トラックバックさせてもらった kyu3 です。

>ピーチライナーの命運を分けたのは、付近のバス路線にある。

この件ですが、必ずしもそうとは言い切れないと・・・私は思います。と言うのは、桃花台にバス路線が整備されたのは、ここ数年の事のように思われるからです。

高蔵寺駅行きのバス(名鉄)は、10年前からありました。しかしJR春日井駅行きのバス(あおい交通)は、住民が小牧市に敷設を頼んだにも関わらず、一度は小牧市によって、桃花台線を理由に、許可されませんでした。許可されたのは、つい最近。2・3年前です。
また中央道経由の高速バスについても、ここ数年で整備されたように思われます(ただこちらの方は、私が知らなかっただけかもしれませんが。)。
それ以外にも、いくつかバスがあります。しかし桃花台の手前までだったりとか、遠回りするような路線だったり、あまり実用的でないものも・・・。

その一方で、桃花台線は、利用者の数だけ見れば、一応「右肩上がり」でした。しかし、元々需要が極めて少ない名鉄小牧駅方面に、路線を強引に敷設したため、建設前の試算によると、1日「約13000人(※延べ人数)」が利用するとされていましたが、実際は「約3500人(※昨年度)」。やはり元々計画自体に問題があったと思います。

長々とコメントして、すいません。
Posted by kyu3 at 2006年07月14日 03:00
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